SRF工法
Q. SRF工法とはどんな工法?どうやって工事する?
A. 巻くだけ、貼るだけ、居ながら楽々補強!
「SRF工法」は、しなやかで切れない高延性材(ポリエステル製の繊維を密に織り込んだベルトやシート材)を柱や壁に専用の高靭性接着剤で貼り付けて補強する工法です。
別名「包帯補強」と呼ばれています。
臭いがなく、ホルムアルデヒド等を含まない、人と環境に優しい素材を使用しています。
別名「包帯補強」と呼ばれています。
臭いがなく、ホルムアルデヒド等を含まない、人と環境に優しい素材を使用しています。
施工の流れ
Q. 本当に地震が来たら柱の中はぐちゃぐちゃに?
A. ほとんど無傷です。
防災科学技術研究所の大型振動台を用いて、同研究所と東京大学と共同で偏心ピロティ(片側に壁が偏り、1階部分に壁が少なく倒壊の危険性が高い構造)の大型震動実験を実施しました。
鉄筋コンクリート6階建ての一区画を取り出した模型を設置し、過去実際に起った地震波を次々にかけました。
SRFで補強したものは、各種の震度6~7クラスの波に耐え、計7回大地震波を加えても、安定して振動し倒壊しないことが実証されました。
鉄筋コンクリート6階建ての一区画を取り出した模型を設置し、過去実際に起った地震波を次々にかけました。
SRFで補強したものは、各種の震度6~7クラスの波に耐え、計7回大地震波を加えても、安定して振動し倒壊しないことが実証されました。
鉄筋コンクリート
鉄筋コンクリート+SRF
鉄筋コンクリート柱は、4波目で潰れました(左)。7波加振後にSRFの高延性材を剥がして柱内部を確認。ほとんど損傷がありませんでした(右)。
Q. SRFの特長は?鉄筋・鉄板・炭素・アラミドとどう違う?
A. 大地震で繰り返し変形すると、固い鉄筋や鉄板はコンクリートを壊します。炭素繊維などは、切れてしまいます。SRF工法のベルトは、柔らかいのでコンクリートを壊しません。
鉄筋の周囲のコンクリート(かぶり)が落ちて、鉄筋が外れ柱が潰れる。
鉄筋で補強した壁は、ひび割れ間隔が不均一になり、左右に繰り返し変形すると一箇所のひびが大きく開いてずれて壊れます。
SRFを裏側に貼ると、ひび割れの間隔が均等になり、一箇所あたりのひび割れ幅が小さくなるので、左右に繰り返しても元に戻るのでずれません。
SRF工法で補強した柱
鉄板巻で補強した柱
SRFで柱を巻くと柱が曲がることを妨げないので元に戻ります。鉄板で巻くと、コンクリートの柱は曲がることができず傾くだけで、上下の鉄筋が切れたり、梁が壊れたりするので、地震で繰り返し力を受けると壊れてしまいます。炭素繊維やアラミド繊維は裂けてしまいます。
耐震補強工法比較表
主な工法
| 工法概要
| 長所
| 短所
| 総合評価
|
鉄板補強
| 柱の周囲を鉄板で囲んで溶接し、柱と鉄板の隙間には無収縮モルタルを充填する。
| 一般的な工法である。採用実績が多い。
| 火災に十分注意する必要がある。
断面の増大、鉄板とモルタルの重量が増加する(柱1本あたり約1トンの増加)。 | ○
|
連続繊維シート補強
(カーボンアラミド)
| 柱表面に、炭素繊維シートやアラミド繊維シートにエポキシ樹脂等の含浸接着剤を含浸させて貼り付ける。
| 補強材は厚さが薄く重量も軽量。
工事では特に大きな動力源や大きな工具を必要としない。 | 臭気が発生する。解体・下地処理の際、粉塵・騒音が発生する。
| △
|
SRF補強
| ポリエステル繊維を壁・柱に接着剤で固定しながら、人力で貼り付ける。
| 補強材は厚さが薄く重量も軽量。
接着剤は無溶剤1液性のものを使用し品質管理も容易。貼り付けられる側のモルタル除去を必要としない。 | ほとんどなし。
| ◎
|
RC耐震壁
| 鉄筋コンクリートの壁を新設、あるいは既存の壁を増厚し、通常は上部200mm程度無収縮モルタルを圧入する。
| 採用実績が多い。
建物の強度が増す。
| 居住スペースが狭くなり自由度が下がる。アンカー工事・コンクリート工事等において粉塵・騒音が発生する。
| △
|
鉄骨ブレース
| 囲まれた所に鉄骨のブレースを設け、アンカーとスタッドボルトおよび無収縮モルタルで一体化する。
| 一般的な工法である。
採用実績が多い。
| アンカー工事等において粉塵・騒音が発生し、また火気を使用する。建物の重量が増す。
| ○
|
免震工法
| 建物の底部または中層部にゴム等を設置し、揺れを抑える。
| 強い横揺れを吸収し、居住性を高める。
| 工事が大掛かりで費用や工期がかかる。掘削土が大量に発生する。
| △
|
Q. 費用の問題で耐震補強工事が進まない!?
A. 工事費が10分の1になることも!
+SRF工法は、特別な機械を必要とせず、ポリエステル製のベルトを巻く工事を中心とするもので、他の従来工法よりも安価です。
都内マンションでは、大手ゼネコンによって補強工事費用が4億円と見積もられたのに対し、耐震診断を見直し、SRFメインの補強で数千万円で済むことが判明した事例もあります。
この他にも、免震・鉄骨ブレースなどで想定されていた工事費の10分の1程度で耐震補強ができた事例があります。
都内マンションでは、大手ゼネコンによって補強工事費用が4億円と見積もられたのに対し、耐震診断を見直し、SRFメインの補強で数千万円で済むことが判明した事例もあります。
この他にも、免震・鉄骨ブレースなどで想定されていた工事費の10分の1程度で耐震補強ができた事例があります。
Q. 技術を証明するための公的な評価は?
A. 日本建築防災協会技術評価・兵庫県知事賞受賞・日本耐震グランプリ受賞
SRF工法を用いた耐震改修計画に関して、第三者機関による評定を受けた実績も多数あります。
実績
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